え~るこばやし ニュースレター

電器店え~るこばやしのニュースレターの記録です。

今月は 井上陽水 さん

2014年10月のニュースレターより

 

秋であります。 寒かったり暑かったりしますが、お元気ですか?

中年芸能界では、リンドバーグウルフルズが再結成したり、ユニコーンが全国ツアーしたり。頑張っている姿を見ると、元気をもらえますね。

ずーっと活躍している、松任谷由実さんや藤井フミヤさんも、定期的にクオリティーの高いライブを行っていて、嬉しいかぎりです。

 

その中で、大御所「井上陽水」さんの話。

陽水さんは、最近ではサングラスをかけて変な声でしゃべる「お元気ですか」おじさんになっていますが、凄い人です。

何しろ、日本で最初のミリオンセラーアルバム「氷の世界」を作った人ですから。

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井上陽水さん

69年、アンドレカンドレというふざけた名前でデビューして、パッとしなかった陽水さんは、井上陽水(あきみ)という本名で再デビュー。71年「人生が二度あれば」「傘がない」など、フォークの暗い曲を発表したあとで、映画とタイアップした明るい曲「夢の中へ」で浮上したタイミングでした。

 

73年、「氷の世界」を当時としては珍しいロンドンレコーディングで制作します。

イアン・ギラン・バンドのメンバーや、ローリング・ストーンズのストリングスアレンジャーなどを使った、意欲的なサウンドのアルバムでした。

今聞くと、スティービー・ワンダー調のコーラスアレンジだったり、当時の最先端だったのでしょう。

 

日本人の参加ミュージシャンも豪華です。ギター高中正義さん(サディスティック・ミカバンド)、ベース細野晴臣さん(はっぴいえんど、のち、イエロー・マジック・オーケストラ)、キーボード/シンセサイザー深町純さん、ドラムス村上ポンタ秀一さん(赤い鳥)、アレンジャー星勝さん(モップス)など、そうそうたるメンバーですね。12月に発売されたこのアルバムは、2年間、売上ベストテン以内を続けて、ついに100万枚以上の販売を達成したわけです。のんびりした時代でもあったわけです。

 

ちなみに、レンタルレコードなど無い、高価なLPレコード時代、ミリオンセラーを達成した作品は4枚しかありません。他の3枚は、松山千春さん「起承転結」、寺尾聡さん「Refrectoins」、YMO「ソリッドステート・サヴァイヴァー」です。

懐かしいですね。気づけば私、全部持ってました。昔からミーハーだったんです。

 

「氷の世界」収録曲の「帰れない二人」は、忌野清志郎さんとの合作でした。

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忌野清志郎さん

陽水さんと清志郎さんは、退屈しのぎに歌詞を1行づつ交代で書いてみたり、メロディーも合作して、何曲か作品を作りました。そのうちの1曲です。ロマンティックな名曲です。雰囲気が合わないいらしく、清志郎さんは一度も歌うことが無かったそうです。福山雅治さんがカバーしています。

 

開かずの踏切」は、星勝さん作曲バージョンと、陽水さん作曲のバージョンがありますが、このアルバムでは星勝さんバージョンを、外人コーラスで盛り上げています。

 

「白い一日」では、作詞の小椋佳さん(歌う銀行員)が注目されました。

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小椋佳さん昔

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小椋さん今

小椋さんはその後、作詞、作曲家として「シクラメンのかほり」「俺たちの旅」「愛 燦燦」などの大ヒットを連発します。

 

※追加 この間(2022年1月)小椋さんのコンサートを見る機会がありました。

「ヒット曲とは嬉しいもので、最近、缶酎ハイのコマーシャルに梅沢富雄さんが出て、バックに「夢芝居」のイントロが流れているの見たことあります?イントロ部分はアレンジの人が作ったわけですが、私に印税が、んー百万円入ってきて、ビックリしたわけです。ヒット曲とは有り難いものですね」と、お話ししていました。さすが。

 

その後の陽水さんは、拓郎さん達と「フォーライフレコード」を立ち上げたり、中森明菜さんや沢田研二さん、工藤静香さんなどに楽曲を提供するメロディーメーカーとしても大成します。

 

2014年「氷の世界40周年」をタイトルに、陽水さんの全国ツアーが始まりました。そんな、懐メロばかりのライブが受けるのか?と言われていましたが、ふたを開けたらビックリの大評判、売り切れ続出。ただ今追加公演中で、来年の春まで同ツアーを続けるそうです。中年ファン恐るべし。

 

恥ずかしがり屋で、めったにテレビに出ず、(最後の週の笑っていいとも出演は、親友のタモリさんのため)紅白出場も辞退し続けているという、無口な陽水さん、このツアーでは新曲をやらないからか、とてもリラックスしていて普段になく饒舌なのです。

家族の日常会話(奥様は歌手の石川セリさん)を話題にしたり、ステージトークではとぼけたおじさん風味な一面をのぞかせます。

 

もちろん、歌のうまさは一級品。「少年時代」「いっそセレナーデ」「リバーサイドホテル」などのヒット曲も歌います。こんな豪華なライブですから、一見の価値ありですよ。